僕の親父は昔から左耳が悪い。
僕が子供の頃は、意識していなかったが成長につれて事情が分かってきた。。左側で話すと、必ず右側の耳を聞こえやすいように向きを変えていた。。「よく聞こえないんだよ。と笑っていたのを覚えている。。
先天的な疾患ではなく、後天的な要因で聴力が弱くなったとか。。昔の治療方法が悪かった為か??親父から直接聞いた事ないから、真相は不明。。
後天的に耳が悪くなったのに、海やプールでは気にせずに潜って楽しんでいた。。当時はヤス(魚を水中で刺す道具)で魚捕りを楽しんでいたが、耳の中に水が入っても問題なかったのかな??
コロナ時は、感染が怖いからと「実家に立ち寄るな令」が出ていた。。
今年、その戒厳令は解かれたので、娘と訪問。。
テレビ電話で定期的に話していたので、左耳がさらに悪くなっているのは知っていたが・・なんとサポートしていた右耳聴力も劇的に低下していた。。ショックだ!!
そう、会話出来ないのだ。。
車で買い物に行った際に、助手席にいる親父から全く反応がない。。「聞いてる??」とイライラしながら聞くが、無反応でニコニコ状態。。
聞く気もないし、会話しようという意思もないのだ。。
親父に補聴器をつけてもらい「補聴器を何で使わないの?」と僕が聞いた。「補聴器は感度が良すぎて色んな音が入るから、外でつけたくないんだよ・・」と親父がボソリと言っていた。。
聞こえないよりマシだろーと思いながら、スーパーで買い物中に少し借りてみた。
「うわっ、聞こえるけど・・雑音も同じ音量で飛び込んでくるやん。。結構五月蠅いから、確かに長時間装着してると辛いかも・・」と僕。
実は、この補聴器は5代目で結構な高額商品。。
今まで、親父は聴覚に不自由しながら生きてきたけど、通常人レベルの聴力で生きてこなかった。だからもっと聞きたい!という欲望のない親父は、慣れようというマインドがないのかもしれない。。
そういえば、嫁が友人の父親の話をしていたのを思い出した。
その父親は、故意に聞こえない選択をしている!というのだ。。
理由は、同居の奥さんがメチャクチャ五月蠅いからである。
聞きたくないので、聞かないという選択をしたという事だ。。
同様の環境は見慣れた光景だな・・僕の母親も同様に、文句、小言が多い。特に同居中の父親に対しては凄い。。聞いてて、父親が不憫に思えてくる。。
僕だったら、気が狂うので絶対に別場所に住む’(笑)
一般的な補聴器の利点は、聴力障害の種類や程度、選択された補聴器の品質やタイプによって個人で異なる。しかし、どんなに聴力向上しても聞きたくない音もあるので専門家の意見、カスタマイズが必要だとか。。
確かに、僕も嫁に小言を言われている時は聞こえないモードに変えることができる(笑)
補聴器選択は、個人的満足がをどこに置くかで変わってくる。
「好きな音だけを選択する」というと聞こえがいいかもしれない。親父の場合は、他の音が犠牲になっている。
人が言ってる内容がわからない為に、コミュニケーションに自信が無くなっているのだ。
以前は、近所の人に話しかけたりしていた。
今は社会的適応が不十分に見える。知り合いが自転車ですれ違い様に何か言ってきても反応できていない。。
本人のストレスは少ない?かもしれないが、痴呆が進んでしまうのは問題だ・・。
親父には、補聴器生活に慣れて、以前のように社会との繋がりを楽しんで欲しいと思う。。